現場でのハラスメントあるある問題

患者から胸を触られた、性的なことを言われたなどは、看護師にとってのセクハラあるあるです。
また、看護師がゴム手袋を付けたまま患者のデリケートゾーンに触れようとすると、「素手でさわれないほどオレの体を汚いと思っているのか」と怒鳴られた事例もあります。さらに他の病院から移ってきた患者を看護する際に、前の病院と手順が違うと言われ、看護の手順を細かく指示されたというパワハラもあったようです。

このような事態を重く見たある大学病院は、看護師全員にハラスメントに関するアンケートを実施しました。すると約70パーセントの看護師が、患者からハラスメントを受けた、と回答したのです。
この高いパーセンテージの背景には、看護特有の課題があります。患者の治療に直結する業務であるだけに、問題が発生しても途中で中止しにくいのです。患者に精神疾患や認知症の症状が見受けられる場合は、さらに対応が難しくなります。
ハラスメントの実態が数字で表れたことを受け、この大学病院はハラスメントを防止するためのマニュアルを作成しました。マニュアルではハラスメントを受けた看護師が、ひとりだけで問題を抱え込まないように組織としての丁寧な情報共有が重視されています。そして専用の相談窓口が設置されました。

看護業界では、外国人労働者の受け入れが進行しています。外国人労働者との間にハラスメントを起因とする軋轢を生じさせないためにも、早急な対応が求められています。